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渡された腕輪と指輪を見て何なのかすぐに分かった。これは魔力を封じる魔封具だ。
「2つとも魔力を100/1にする魔封具だよ。ちょっと嵌めてみて」
マスターに言われたように右腕と右の薬指に嵌めると確かに魔力が減った。
大体、一万と二千ちょっとくらいになった。
「うーん、少し多いだろうけど大丈夫そうだね。学園ではソレをして行動してね?正体をバラすわけには行かないからね」
「よく分からないけど分かったわ」
どういうことか分からなかったが部屋に早く帰りたいから了承するとマスターが私を呆れたように見てきた。
「それで、話はそれだけ?それだけなら早く部屋に帰るわね」
「あー、待って待ってまだ終わりじゃ無いから!」
部屋から出ようと思って腰を上げたらマスターに止められて仕方なくまた腰を下ろした。
マスターはそんな私を見て溜息を吐いて話の続きを話し始めた。
「それでね、ツバサの部隊にはもう1人、15歳の子が居たでしょ?その子と一緒に学園に通って欲しいんだよ」
「マス・・・お父さん、なに巫山戯たことを言ってるのですか?」
「ちょっ、ツバサ?!魔りょ・・・殺気が出てるから!それに敬語になってるよ?だから少し落ち着こう?ね?ね?」
つい、マスターが巫山戯たことを言うから魔力と殺気が出ていたようで慌てたマスターが落ちつくように言ってきた。
確かにこのままじゃ、幾ら結界があってもギルドに居る人たちに悪影響を及ぼすと思って深呼吸をして魔力と殺気を収めた。
「それで?どうして、あの子も通わないと行けないのですか?」
「(まだ怒ってる...)・・・それはあの子も15歳だからだよ。それにあの子は他の隊員よりは平気でしょ?」
確かにあの子は他の隊員に比べれば人族に嫌悪感を抱いてない。でも、それは嫌悪感よりも怯えの方が強いからだ。
私の部隊は特殊で世間では私が自ら選んだ優秀な者が入れると言われているけどそれは合ってはいるが一つだけ世間に知られていないことがある。
それは私も含めて全員が獣人族だと言うことだ。
何故、知られていないのかはこの国のある傾向のせいで隠さざる終えないからだ。
もし、私達が獣人族だと知られれば私達はこの国の住民に迫害を受けるだろう。特に貴族に獣人だと知られると、捕らえられ、生かさず殺さずの絶妙な加減で一生、そいつの慰めモノやストレス発散の道具にされる。
そのある傾向って言うのが人族至上主義で多種族嫌悪だ。特に酷いのが獣人族への嫌悪感が凄く、見つければすぐに殺す者もいればさっき言ったようなことをする。
この国、中央の国スィリディーナでは多種族を迫害することや奴隷のことは法律で禁止していない。だからこそ、私達は正体を隠さないといけない。自分の身を守るために....
まぁ、普通に勝てるのだけれどね?ただ、反撃して殺しちゃ駄目だからそうしてるだけ
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