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 「教室、戻らないとだね。今日の放送であの新曲流すって放送部の子が言ってたよ」  「あ、そうなの?じゃあそろそろ戻るね」  教室に帰ったら、絵里の話しを聞かなきゃなと思いながら、千代李にドアの前まで見送られる。  それじゃあと、挙げられた手に私も同じように返してから、聞きたいことができて、私は口を開いた。  「……千代李も、あのバンド好きだったの?興味ないと思ってたけど」  教室で絵里が話している時、加わっていた覚えはないけれど、音楽はほとんどクラッシックしか聴かないと言っていた彼女が、流行のものが好きだなんて意外だ。  「あ、うん。最近ね」  答えた千代李は、左右均等に編まれた三つ編みの片側を、グシャリと握りつぶした。
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