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はじまりのなりたち
「んんっいい…んんっ…出る…」
…………おい……なぜにこうなった……たかだかページ1ページ…
「んんっッグハ…ハ…ハ」
悶絶の表情を浮かべる野生女…
「おいっ!そろそろなのか…そろそろ産まれんのか」
完全にテンパるオレに女は、どすのきいた声で言う
「うるさいだまれっ殺すぞ…」
「はい…」
こういう時、ついてるものがついてるほうは、いたって無力である…多分それは、ついてるほう、ついてないほう両者のバランスをとるため神様があたえた試練であり喜びなんであろう……
「出るっ!出るっ!」
「えっマジ」
野生女と出会って1ページ弱で出産……どこぞのセクシーブランドに出てきそうなタイトル……
「う……ウェェェェー」
え…ここでナメック星方式出産……
「ぐはっ!」
……で……出てきた……予想通りナメック星方面のよりは、すこしばかり黄ばん白い卵が……
「ぐはぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」「おい……おまえ……」
たった今、ひとつの生命を産み出した者の、決して男には、わからない威厳…
「は……はい」
声が裏返り直立不動……
「おまえは、今後、その先、その子らの未来永劫を見守り続ける……それがおまえがあたしたち生き物にあたえたとりかえしのつかない贖罪……」
………………
濃い靄におおわれオレは、いく世代いくつもの生と死を繰り返し視ていく……悲しいこと、楽しいこと、ムカついたこと……終わりを見せない果てしない絵空物語……やがて1枚のマンガの見開きへとたどり着く……
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