狭間と乱菊

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狭間と乱菊

「え…?」 きずけばそこは、元いた河原…… ………… ガスのように濃い霧の中そこには、1匹のどこかで見たことがあるようなブスカワタヌキいた…… 「あ……あの……おチビちゃん…」 私は、なぜかそういった… ………… タヌキは、霧がさらに濃い川沿いの向こうを見つめ、振り向きもせずゆっくりと問いかけてくる 「生命が子を産みそして喜び、怒り、それらを十二分に味わい長い、または、短い一生(いっしょう)を終える……それって大なり小なりいろいろあるけど生命の根源みたいなもんだよな……」 ?…… 正直、私には、なにをいってるのか皆目検討もつかないご託?…… 「贖罪の契約の破棄その償いの遂行……」 ?……いや……だから…… 「ちょっと待ってくれねぇかい……この直しとこ書き終える迄……」 なんかカッコつけて後ろ向き掲げてる?……原稿……? 「いや……やれば……」 オレは、意味わかんねぇからぶっきらぼうにいってやった…… 「あ?」 振り返ったタヌキ…… 「誰あんた……」 「いや……こっちこそあんた誰……」 ………… 見つめ会うふたりに共通点は、あるようで現時点では、ない…… 「いや……乱菊は、……」 「……は?乱菊?…」 「いや……さっきの……」 ……………… 身を屈めオレをなめ回すかのように凝視するタヌキ…… 「………………おまえ乱菊の使いかなにかか?……」 「は?……乱菊とは、誰のことをさすのかオレには、わからねぇが、オレは、チビカルのとこにきたババアの依頼で今ここにいる……依頼内容は、多分おまえをそのババアのお孫さんのとこに連れていくこと……」 ……………… タヌキは、眉間にシワをよせすこし黙ったあと話を続けだす…… 「…………だいたい話は、分かった……おまえ、まずあっちの世界いって乱菊のとこに行け……話は、それからだ……」 「いや……は?乱菊?誰だそれ……」 「は?乱菊は、乱菊だ…おまえここにいるってことは、少なくても一度(いちど)は、会ったことがあるはずだぜ……乱菊に……あの爬虫類のような巨大な花魁ハデハデババァに……」 「………………」花魁……巨大……爬虫類…… 「思いあたるふしがあるみてぇだな……そいつが…ババァの孫だ!そいつんとこまずは、行け……おれは、多分いつでもここにいる…そしたら来い……」 霧が濃くなりきえていく……タヌキ…… 「あ……そういえばおまえ名は……」 「いや……おい……欄だけど……」 「そうか欄か……じゃあ待ってるぞ……欄……」 タヌキは、消えていく……それと同時、霧は、晴れそこには、道かのような太陽のまばゆい光の道が光線かのように美しくオレを射ぬいていた…… ………… 「もしもし……チビカルちょっと迎えきてくれ……」
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