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━━放課後
日直の仕事が終わって教室に帰ると、まだ1人だけ残っている人がいた。
(たしか、あれは……松村さん?)
松村綾乃は、イヤホンをしたまま机に突っ伏して寝ていた。
何となく、怖いイメージがあって声をかけづらく、1度も話したことがなかった。
「あの……電気消したいんですけど」
声をかけると綾乃はゆっくり体を起こした。
「……今、何時?」
目を擦りながら聞いてくる。
「6時。綾乃ちゃん、1人なの?」
「……遥、いないし」
綾乃は、少し俯いてそう言った。
遥とは、夏休み中に遠くへ引っ越してしまったクラスメイトのことだ。
そういえば、綾乃はいつも遥と一緒にいた。
……余計なこと聞いちゃったかな。
それにしても、1人で寂しくないのか……
私は一瞬、咲妃のことを思い浮かべた。
……私もそんなに変わらないや。
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