手品師

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 「……くだらない」 僕は手品師の周りの人だかりからそっと離れる。 どうせ、手の中にでも仕込んでおいたのだろう。 ピエロの面なんて被っちゃって。どう見ても怪しい。 だいたい、道の真ん中でやったら邪魔だろう。 やれやれと思いつつ、僕は無意識にポケットに手をやる。  「…………あれ?」 ない。どこにもない! 財布が、お金がなくなっている。 僕の茶色い財布は!?落とした!? 慌てて周辺を見回すが、財布は見当たらない。 どうしよう!俺のなけなしの1万円!  「…………待てよ」
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