2人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
「……くだらない」
僕は手品師の周りの人だかりからそっと離れる。
どうせ、手の中にでも仕込んでおいたのだろう。
ピエロの面なんて被っちゃって。どう見ても怪しい。
だいたい、道の真ん中でやったら邪魔だろう。
やれやれと思いつつ、僕は無意識にポケットに手をやる。
「…………あれ?」
ない。どこにもない!
財布が、お金がなくなっている。
僕の茶色い財布は!?落とした!?
慌てて周辺を見回すが、財布は見当たらない。
どうしよう!俺のなけなしの1万円!
「…………待てよ」
最初のコメントを投稿しよう!