腹ペコ坊主、捕まる。

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腹ペコ坊主、捕まる。

それからずっと、正嗣は隆寛に謝っていた。 「ほんっとーにごめん!あまりにも色っぽかったんで、もう抑えられなくて…!」 「い、色っぽいってなんだよ…」 ベットで腰をさすりながら、隆寛が正嗣を睨む。 「だって、オレいつも隆寛を見てたんだもん。出会った日から。そんなの、抑えられるわけないじゃん」 「え、見てたって…」 「お前がカッコいいから、毎日見てたんだよ」 正嗣を見ていた隆寛が真っ赤になる。 (お、いい反応じゃん) 正嗣は調子に乗って、隆寛の頭を撫でながら囁く。 「毎日、オレが抜いてやったら道中で悶々しなくなると思うけど?」 「〜〜っ!」 枕を正嗣に思い切り投げつける。 「だからさ、付き合ってよ」 笑みを浮かべる正嗣に、隆寛が驚く。 「こんな出会いもあっていいじゃん。ねえ、冴えないフリーターを救ってよ。人を救うのがお坊さんでしょ」 今は良いことが一つもない。こんな時に出逢えたんだから離すもんか、と正嗣が必死に口説く。 「…救って欲しいなんて言われたら断れないじゃないか」 苦笑いしながら隆寛が正嗣のおでこにデコピンをする。 「いてッ」 「いいよ付き合ってやる。オレが救ってやる」 隆寛の言葉に、正嗣が笑みを浮かべる。 「もうすでに救われた気がする!」 「単純だなあ」 不意に、隆寛が正嗣の頭を撫でる。そしてニヤッと笑いながらこう言った。 「…身体の相性もいいしな」 今度は正嗣が驚き、大笑いした。 「何だよ、このエロ坊主!」 【了】
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