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1月○日
怪獣を見た。バカにされるかもしれないが、確かに俺は見たのである。決して、空に映る雲の形が怪獣に似ているなどという子供じみたものではない。幻覚でもない。あれはまさしく本物だ。
スマホやおしゃべりに夢中になって、みんなが歩く中、俺はなにげなく上を見た。すると、怪獣がいたのだ。小さなビルほどの高さのあるそいつは町を破壊するでもなく、人々を蹂躙するでもなく、ただそこに突っ立っていた。
俺以外には見えていないのだろうか。周りを見渡すも、だれ一人として怪獣に目を向ける者はいなかった。見て見ぬふりをしているのか。はたまた、ぜんぜん見えておらず、俺にだけ見える存在なのかわからなかった。
とりあえず俺はスマホで写真だけ撮った。
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