結婚制度

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結婚制度

親友のるみちゃんは夫と女の子が二人いる幸せな奥さまだ 私とは全く違う世界の住人だと思う でも、羨ましいとは思わない 何故なら私は結婚には興味はないし、一人でも生きていけると思っていたからだ 正直な所、私は結婚に価値を見いだすことが出来ない 結婚をしたら二人の関係は恋人から家族に変化する 生活になれば好きと言う感情だけでは済まなくなる 相手への不満だって切り替える暇はないままに日々が重ねられていくだろう きっと、相手への不満を口にせず、腹が立ったとしても口を閉ざす私みたいな女は、いつか大好きだった人を大嫌いになる 幸いなことに裕紀さんも結婚願望のない人だった だからこそ、ずっと一緒にいられると思っていたのだ でも、今は裕紀さんと結婚していたならと考えてしまう もし結婚と言う契約があったのなら、裕紀さんは私との別れを、私に納得させる義務があったのに それは私が初めて結婚と言う制度に見出だした価値だった
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