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ナベ
美容室が終わると私はナベとの待ち合わせの場所に向かった
ショッピングモールの屋上駐車場
LINEで連絡を取り合い、私はナベの車の助手席に座った
ナベはLINEのメッセージのイメージとは違って、実年齢より上に見える
自分の事は棚にあげて、普通におじさんだなと思った
車を走らせるのかと思いきや、ナベはその場に止まって話を始めた
「このサイト長いの?」
「始めたばっかりですよ」
「そうなんだ。ナミさんは結婚してるの?」
私は首をふって「いいえ、独身ですと答える」
「このサイト、結婚してる人とか、彼女いる人多いでしょ」
確かに、ユーゴは結婚していると言っていた
「俺も彼女いるんですよ」
正直だなと思ったらゆるい笑みが浮かんだ
私にとってはそんなことどうでもいい
「彼女がいても登録するんですね」
私がそう言うと、ナベは「実はね」と自分の話を始めた
「結婚してる人と付き合ってたんですよ。しかも、その人俺の他に本命がいて、俺はその本命がダメな時の控えだったんです」
驚いてナベの顔を見る
決して冗談を言っているようには見えなかった
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