高校生たちの言葉遊び

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 私には大学生の頃よくつるんでいた友人がいました。彼の高校は男子高で、本人がいうには友達が一人もおらず、学校が終わるとすぐに自宅に帰宅するという生活をしていたらしいです。  ほとんどの高校生は何かしらの部活に入部している人が多いです。エネルギーあふれる若者に部活動をさせることで素行不良や非行に走るのを抑制させる働きがあるため、ほとんどの学校では放課後の訓練を推奨しているのだろうと推察します。  友人ももれなく部活に入部していました。だが、どうして授業後すぐに帰宅することができたのかといいますと、入部はしているのですがあくまで形だけ。いわゆる幽霊部員を全うしていたからです。  確かに友人と同じように形式だけ入部する人がそれなりにいます。だが、そういう層のほとんどは同じ匂いを持つアウトローと仲良くなる傾向が多いです。部活動には消極的だが、彼らは彼らでコミュ力を持っています。なので時たま運動部たちと交流することでクラスという社会の縮図から置いてけぼりにされたりはしません。  一方、友人のような部活動もしていなければ、アウトローでもない、またコミュ力がない人間は友達が出来ず、クラスの中で徐々に浮いた存在になっていきます。もれなく、私の友人もその中の一人になり、辛い高校生活を2年間過ごすことになります。3年間ではなく、2年間だと申しますのは引き続きこの後の文章をお読みくださいませ。  さて、奥手でコミュ力が乏しいのは分かります。ですけど、高校に入学するのと同時になぜ部活動に入らなかったのか──。そのことを質問しますと、中学校入学時にバドミントン部に入部し、ランニングや筋トレ素振りなどいわゆる基礎体力をつけさせるトレーニングを飽きるほどさせられ、その分苦しい思いをしてきたから高校では入部をしないという思いを秘めて入学したといいました。  なるほど──。その頃から打算的な友人だったのですね。
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