高校生たちの言葉遊び

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 友人が寝たふりしているとは知らずに、野球部やサッカー部に所属する、その中でもイケてる男子たち──いわゆるスクールカーストの最上位層のグループがでかでかと教室中の隅から隅まで聞こえるくらいの声量で他愛もない話を元気よくしておりました。野球部はサッカーの話を熱心にし、サッカー部は野球の話を熱心にしていました。  彼らは話の流れで何か面白いことをしてみないかと躍起になっておりました。その中で何を試みることになったのかといいますと、“面白い3文字の言葉”を思いつき口に出すというものです。彼らはそんな会話をしていたものですから、教室の中で寝たふりをしていた友人は心の中で笑ったらどうしようという悩みを抱えることになります。  野球部の一人が話し始めました。 「じゃあ、俺からいくわ! チ〇コ」  他のメンバーが笑いながら、 「えっ、いきなりそれかよ。俺は真面目にいくぞ。チ〇ポ」 「おいおい、コからポに変わっただけじゃねえか。こんなげすい流れを変えるぞ。ウ〇コ」といいました。  一同爆笑しております。さっきから発せられる言葉は子どもじみておりますが、世の男の大半が好きなパワーワードを使用し、言っていることとやっていることが異なるため大変良いスタートダッシュを切ることができました。  次の番、イケてる連中の中でもわりと大人しめな野球部が遠慮気味に「バナナ」と、それに続いて「マンゴー」と。その後も、「メロン」、「ポンチ」、「おしり」と解答が続きました。   マンゴーのゴーと伸ばす棒を含めると4文字ではないかと思いますが、彼らは場を盛り上げることに注視し、些細な指摘に気づくはずがありません。
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