高校生たちの言葉遊び

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 イケてる組の野球部員が普通の組の野球部員に番が回って来たことを促します。やはり、その普通の野球部員も恥ずかしそうな顔をつくりますが、教室の空気が温まってきたせいかタカモリ君、サトウ君よりも頼もしい顔で「カルビ」と答えました。  すると、イケてる組の野球部員は、 「そりゃ、そうだ。高校生の野球男児となるもの腹が減っては戦はできないからな」とコメントを挿入し、笑いを誘いました。 ……続いても各参加者から、以下の単語の発言があったとのことです。 「おわん、さしみ、とうふ、なすび、パクチー、セロリ、はぐき」  3文字の面白い言葉を紡ぐ──。高校生という若さあふれる年代だからこそ、こういった突拍子もない言葉遊びを思いつくのだろうとつくづく感じます──。若いっていいですね。  えっ? 教室の中で寝た振りをしていた友人がどうなったかですって? 彼は終始、笑いを我慢していました。だって、机にうっぷして寝ているんですからね。  当時、高校生だった私の友人は、様々な3文字のジャブを浴びせられ続けたのですが“はぐき”というストレートが腹にクリーンヒットし、「バフッ」という変な声をあげるとともに肩を揺らし、大きな声で机の上で笑い転げたといいます。  それを見たイケてる組から「なんだ、お前起きてんのかよ」と、声をかけられ、顔を真っ赤にしたといいます。  それからはタカモリ君のように、時たまイケてる組から愛のあるいじりを受けるようになったことで、だんだんとクラスに馴染めたといいます。よかった。よかった。
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