少女

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その少女は長い銀色の髪だった。 その髪を少しだけとり、左上にリボンで結んでいた。 瞳は青色。 美少女で人形のように肌の透明感がある。 青いワンピースを着ていた。 オルはその少女をただじっと見つめるばかり。 少女はジャックに気づいた。 「ジャック!帰ってきたんだ」 そしてオルたちの方へ駆け寄った。 「よぉリズ。久しぶりだな」 「リズ、たった今入ったばかりの新人オルじゃ。仲良くしてやってくれ」 「うん。わかった。私、リズ・セルシエル8歳なの、よろしくね 」 リズはオルに向かってニコッと笑う。 「オル・アイクだ俺も……8歳」 オルは照れながら自己紹介した。 「お前ら同い年なのか。これは面白いな」 ジャックはオルの頭を強く押さえる。 「痛い……」 「ハーハッハッハ!皆の者ドリンクを持て!」 マスターが声を上げる。 「オルの仲間入りを記念して乾杯!」 『乾杯!!』 周りのテンションは祭りみたいな感じでみんなノリノリだ。 肉料理や魚料理、豪華な食事が出てきたり、歓迎のダンスを踊る人がいた。 オルはジャックの隣に座っていた。 「おい、オル。お前ドラゴンラスターって言ったよな。どんな魔法なのか見せてくれよ」 ジャックが訊ねる。 「ドラゴンラスターも知らねぇの?仕方ねぇな。やってやる」 オルは椅子から立つと深く深呼吸をした。 オルの手から冷気が出た。 その手の冷気を床に落とす。 「フリーズン!」 床の一部が凍りつく。 「氷の魔法か」 ジャックは納得したような顔をする。 「俺のは氷竜から教えてもらったから。ジャックはどんな魔法を使うんだ?」 「あ、ジャックは炎の魔法を使うのよ」 リズがオルの耳元でささやく。 「ほ、炎……」 オルは力が抜けたように倒れる。 「おいおい大丈夫かよ」 ジャックとリズが覗き込んだ。 「俺は炎と計算が嫌いなんだよ」 ジャックとリズは苦笑いした。 祭りみたいな歓迎会は夜まで続いた。 ここに来てよかったとオルは思ったのであった。 ーーここで俺は過ごす。楽しみだなぁーー
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