記憶

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「……兄さん」 「どうした?」 「思い出したかも。前世の記憶を。そして兄さんに言ってなかったことがある」 アレンは目をカット開きピースを見つめた。 「本当か!?」 「……この世界を闇に覆うやつ……邪竜だ……」 「邪竜……だと」 「ずっと前に僕の前世が言っていたような気がするんだよね」 アレンは考え込んだ。 「……邪竜か。心当たりはないとは言いきれないな。名前は……ファルゼだ」 「そのこと、みんなに伝えなきゃ」 「待て。他に思い出したことはないか?」 「ん……ないなぁ」 ーーセルシエルーー 「!?まさかアルドライトとしての記憶!?ねぇ!教えてよ!他に僕の記憶にないことを!」 ーー分かった。セルシエル家に伝わる魔法。きっとあの子に教えられているはずだ。セレナーデが教えているのであればねーー 「セレナーデ……」 「セレナーデ、その名前は……セルシエル家か」 ピースが呟くとアレンは思い出したように言った。 「リズに魔法が教えられている?でもリズは水のドラゴンラスターだよ?」 「隠しているように教わっているのかもしれないな。本人に確認してみればいい」 「そうだね……僕、みんなに話すよ。僕の罪を」 「……アルドライト……」 オルたちのほうに向かうピースの後ろ姿を見てアレンは心配する感情がこぼれてしまっていた。 「みんな!ちょっといいかな?……話したいことがあるんだ」 「ピース?」 「これから戦うことになると思う敵と……僕の罪を」 ーー罪?どういうことだ?ーー 「あれは……何千年も昔のこと……」 「……今のは……まさか」 「兄さん?どうしたの?」 「未来の……予知だ……何千年も先の未来、この世界は闇に覆われてしまうかもしれない」 「!……兄さん。僕らでこの世界を救わなきゃ」 「僕らは世界の運命を変えるために5人の勇者を選んだ。それが……チームアルドライトなんだ」 「俺……たち……」 「僕はその後にこの世界を闇に覆う奴を知った。でも、兄さんに伝える前に僕は力尽きて眠りについてしまった……」 「犯人……わかったんだな」 ジェイは厳しい口調で言う。 ピースはこくりと頷く。 「邪竜、そう呼ばれるやつだ」 「邪竜?」 「うん。僕も会ったことは無いけれど噂で悪事を沢山聞いていたんだ。だから名前だけは知ってる。そいつが犯人に違いない……」 「ピース?どうした?」 ピースは歯を食いしばっていた。 「そいつは……とっても強いんだ。だから……みんなを死なせてしまうかもしれない……」 「俺たちが死ぬかもしれないって……どれだけ強いんだ?そいつは……」
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