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「おい!?爽子!俺が言うから言うな」
「はいはい」
「??何の事?」
恥ずかしそうな彼が不思議な清子であったが、爽子は二人で仲良く!と言って他に挨拶に行ってしまった。
「なんなんだろうね。ごめんね。あんな態度で」
「いいえ?あの。お姉さん」
「すごい汗よ?これ、ハンカチ」
「あざっす」
彼は汗を拭くと、深呼吸をした。
「ふう、あのですね。そのですね」
「??」
「あの。ハーブティーを、その、あの時、淹れてくれて」
「ハーブティー?」
「好きなんです。ずっと……」
もじもじ話す彼の言葉を清子は必死に聞いていた。
「そんなに?」
「はい」
顔が真っ赤の彼に、清子は目をシパシパさせた。
「あれで良ければ、いつでも淹れてあげるわよ」
「本当ですか?!」
そう言って手を握ってきた彼に清子はドキンとした。
「やった!ずっと、憧れて、嬉しい……」
「隆明君?」
「清子さん、でいいですよね?やった!よっしゃ」
彼はそういって手を離してくれなかった。そんな彼の笑顔に清子は胸がドキドキしていた。
「連絡先、いいですか?ええと、待て待て。落ち着け俺」
「隆明君。あの。その、慌てないで?ゆっくりでいいからね」
こんな彼女を彼は優しく見つめた。
「……やっぱり清子さんだ。あーあ。それにしても」
ホッとした、と照れながら話す彼と彼女は微笑んでいた。
華やいだパーティー会場。久しぶりのドレスアップの彼女は年下の彼の熱い手に、頬を熱く染めているのだった。
Fin
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