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低血圧ガール
「おはようございます……ふわ」
「どうしたんだい?百合子さん」
「すいません。朝は弱くて」
ハルニレビルの清掃員の百合子は、ガードマンに心配されながら掃除をしていた。この廊下に最近知り合いになった営業マンの舘野がやってきた。
「おはようございます」
「おはよう。なんだ寝不足か」
「いえ。私は低血圧なので」
そのせいで朝が弱いと彼女はこぼした。
「手に力も入らないし」
「……それは血圧は関係ないぞ」
「え?」
舘野は呆れた顔で、血圧のせいじゃないと話した。
「それは自律神経だ。副交感神経とのバランスが悪いんだろう」
「??私は病気なんですか」
「違う。そうだな、例えば君は寝る時に部屋の明かりはどうしている」
「点けてますよ。怖いから」
「ダメだな」
「えええ?」
この話は後でしようと舘野は仕事に行ってしまった。残された百合子は不安であったが掃除をしていた。
……そんな。私は血圧が低いせいだと思っていたのに。
こんな彼女はクヨクヨしていたのでだんだん頭が痛くなってきた。百合子はこのビルに入ってる仲良し美容師の店長にこの話をした。
「それってさ。低気圧のせいじゃないの」
「天気が私に関係あるの」
「あるよ」
喘息の持病がある彼は気圧を感じて気分が悪くなると話した。
「雲が低いとなんて言うか、発作が起きそうな気分になるんだよ」
「低血圧じゃなくて、低気圧か。いろいろあるのね」
こんな百合子は掃除をしながらテナントの仲良しのペット美容室でこの話をしていた。
「それって低血糖のせいで気分が悪いんじゃないの?」
「また色々出たわ?」
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