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薔薇の番人 2
館の扉をノックすると、すぐにドアボーイが顔を出した。
目がくりくりして、小柄でか可愛い少年だ。
でも辺境領の村の就職できる最低年齢は18歳だったはず。
ずいぶん童顔だけど18歳以上だろう。
しかも館のドアボーイは城下の村の人気職。
見かけによらず有能かもれない。油断しないようにしよう。
ドアボーイは人好きのするいい顔で笑った。
「こんにちは!お見受けしたところ、旅の方・・・冒険者のようですが、どんなご用件でしょうか?初めていらっしゃる方ですよね?」
オレは誠実そうな顔をして答えた。
「こんにちは。この館に来るのは初めてではないのです。」
ドアボーイは首を傾げた。
「今のご主人様になられたこの2年の間には、いらしてないですよね?」
おっと、この子は人の顔を記憶できる子なのか。
そんなに優秀なドアボーイがこんな田舎にいるなんて。
「前の辺境伯の時には、ここに住まわせていただいた事もあるのです。」
「前の辺境伯!?ちょ、ちょっとお待ちください!」
ドアボーイは慌てた様子で扉を閉めた。
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