ヒューストン、聞こえる?

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※ 誰もいなくなったコロニーの、誰もいなくなったラボ棟の、誰もいなくなった食堂で私は機械から吐き出された食事のパックを受け取った。 誰もいないテーブルの間を歩き、誰もいない広場が見下ろせる席に座って食べ始める。今日のおかずは魚を模した加熱タンパクとパン、栄養スープは味噌風味。 機械的に咀嚼する。抵抗なく食べられるというだけの食味。食べ物に美味しい、まずいだのという評価が取りざたされたのはもうずいぶん昔、私が子供の頃の概念だ。 機械的に嚥下する。味がしない。食べ物は生命維持のためだけのもので、いつも美味しいかなんて考えたことはなかったけれど、味がしない。 生命維持のためだけに、機械的に、食べている私。生命維持。さて、これからどのくらい、私は私の生命を維持するべきだろうか。
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