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某校の卒業式
今日は晴れて我が校の卒業式であった。それはこのたび、晴れて卒業を迎えた私にとって忘れられぬ卒業式となった。忘れるほうが難しい、といったほうが正確かもしれない。
我が校の卒業式は、廃線となったかつての最寄り駅のホームを貸し切りにして行われる。だからといって、鉄道関係の専門学校というわけではない。すでになんの役にも立たない駅が依然として取り壊されず保存されているのは、我が校の卒業式のためであるという説もある。
ホームの端から端まで、パイプ椅子を二列にずらりと並べて卒業生が着席する。それを送る在校生のほうは、ホーム下の両脇を走る線路上から、ホームを見上げる形でのオールスタンディング形式となっており、入場時には改札で五百円のワンドリンク代が徴収される。
線路を埋める在校生らの後方には簡易式のバーカウンターが設置され、入場時に交換したコインでドリンクを注文することができる。選べるドリンクは「絞りたて酪農牛乳」のみとなっているが、だからといって我が校が農業高校だというわけではない。
やがて跨線橋の上に我が校の教師陣が現れ、構内スピーカー越しに卒業式の開始が告げられる。
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