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プロローグ
皆さんこんにちは!私は花鳥 月乃(はなとり つきの)と申します。
現役高校三年生です。
あらかじめ言っておきますが、私は本当に普通の女子高生です。特別可愛いわけでも勉強ができるわけでもありません。
ただの女子高生です!
これは、これから話す長いお話はわたしのことではありません。私の姉の話です。
1年間、私がセブンティーンの頃からの1年間の、通称『風乃恋愛観察日記』。
私の2歳上の姉、花鳥 風乃(はなとり かざの)は、ぱっちりとした大きな瞳、筋の通った小さい鼻、桜色の整った唇に小さい卵形の輪郭、モデル顔負けの抜群なスタイル、そして極め付けはロシアのクォーターの血統を表す青味ががった瞳の色彩(これはわたしもだが)の、超絶美人だ。
おまけに地元の国立医学部に現役で受かるほどの頭脳も兼ね揃えている。
俗に言うスーパーガールってやつだ。
これだけ聞けば聞こえはいいし、キャンパス内でもそりゃあモテモテライフを送っていらっしゃるのだろうと思う人もいるでしょう。
しかし現実は違った。風乃はもうすぐ二十歳になろうとしているにもかかわらず、未だ誰とも付き合ったことがない。処女はおろか唇でさえもまだ誰の色にも染まっていないのだ。
これも言うと更に聞こえはいいだろう。貞操観念のあるきちんとした人なのだ、と。
しかしこれは姉に貞操観念があるからの結果ではない。姉の恋愛対象のズレが生じた結果だ。
姉の恋愛対象は、そう、二次元美少女だったのだ。
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