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翌週、収録があった。
ユキはプロのパーソナリティらしく、オレ達があたかも初対面かのように振る舞いインタビューが終わった。
そしてオレとユキは近くガストで対面した。
二人でこうしてお茶をするのは実に30年ぶり。
ユキの話す思い出話一つひとつにオレの記憶の回路が激しく反応する。30年前の出来事が怒涛のように押し寄せてきては、その度にむず痒いような、こそばゆいような、甘酸っぱい思いがオレの体の中で弾け飛ぶ。
1987年のこと。
オレは高校2年になっていた。
オレの自我を目覚めさせたあの一年。
30年を経た今でもその年のことが鮮明に頭に浮かんでくる。
時間の流れはいまよりずっと重かった。粘度の高い闇の世界をひとかき、またひとかきと手探りで進んでいた。
昭和という時代が終わるなんて想像すらしなかったし、将来のことなど考ようともしなかった。ただ、目の前のことを右から左へと片付けていくことだけで精一杯の毎日。
どうしようもなく不器用で、意味もなく濃密な交友関係。交互に訪れる固い絆と裏切り。それらは時にかけがえのないものとして輝きを放ち、時には醜く憎悪の塊に変わりオレを苦しめた。
全ては宝物として胸の奥に大切にしまわれている。
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