樹

また…いくつかの夏と冬の過ぎる間に。

家族たちは、しだいに増え…。

小船が。
小屋が。
そして、住まいが…あちらこちらに。

父親たちは…夜明けには、沖へと漕ぎ出し。

母親たちは…縄をこしらえ、魚を吊るし。

そして、子供たちは…私のまわりをくるくると駆け回って。

日々はまた…ゆるやかに、たおやかに。

私もまた…ふたたび、そのような日々を。