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その日、授業の後カフェのアルバイトをして帰途についた。
スマホが振動した。見ると、知らない番号だった。迷ったが、もしかしたら昨日面接に行った店の人かもしれない。私は電話をとった。
「もしもし、野原結子さんですか?」
知らない女性の声だった。
「はい、そうですけど」
「今すぐ会いたいの。そうだ、あなたの大学が分かりやすくていいわね。私も近くに来ているのよ。正門の前で待ち合わせでいいですか」
「え、どういう」
「来てもらえば分かります。私、白石麻子と申します」
私の心臓がどくんと鼓動した。「麻子」、大人の女性の声。間違いない。
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