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一貫性のあるキャラクター
さて、第三回となる本日のお題は、『一貫性のあるキャラクター』です。
短編ならまだしも、長編で一貫性のあるキャラクターを書き切るのって、難しくないですか?
少なくとも昔の私はできていなくて、「このキャラクターがこの言動をするのはおかしいです!」と、ちょくちょく後輩にダメ出しされていました。
作者は私なのに、後輩の方がキャラクターを把握しているなんてコントみたいな状況ですが、全く面白くないところが本当に笑えません(真顔)。
でも一人ならまだしも複数のキャラクターを、そのキャラクターに相応しい言動とは何かを考えつつ同時に動かすって、慣れるまでかなり難しいんですよね。
性格って決して一面的なものではないですから、人一人の性格をちゃんと書こうとすると頭が追い付かなくなって、脊髄反射でキャラクターを動かしてしまい、ページが長くなればなる程らしくない言動が出てきてしまうんです。
この問題を乗り越えないと、魅力あるキャラクターなんてとても書けないので、どうしたものかとあれこれ考えた挙句、一つの結論に辿り着きました。
「各キャラクターの核となる属性を決めて、そこだけは外さないように意識して」書くようにしてみたんです。
現在公開中の『幽霊王女と優しい殺し屋』を例に挙げて説明してみますと、王女が「ぽわぽわ」、殺し屋が「短気」、魔王が「尊大」といった感じですね。
一言だけなら「このキャラクターの個性って何だっけ?」といちいち手を止めて頭を整理する必要もないですし(「作者なんだから、そこはちゃんと把握しておけよ」という話ですが(笑))、押さえるべきポイントを見失わずに済むので、このやり方を始めてからやっとまともに長編を書けるようになった気がします。
核となる部分がしっかりしていないと、意外性も上手く出せない気がするので、「キャラクターが上手く書けない」とお悩みの方は一度くらい試してみるのもいいかも知れません。
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