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魅力あるキャラクター
さて、第五回目の今回も前回に引き続き、キャラクターに関するお話をさせて頂こうと思います。
今回のお題は「魅力あるキャラクター」です。
キャラクターを上手く書くのが得意な方は、キャラクターの特徴を前面に押し出していくだけで十分魅力的なキャラクターを書けると思いますが、私はそういうタイプではないので、ちょっと小賢しい真似をさせて頂いています。
平たく言うと、「ギャップ萌え」を狙っているのです。
自戒も込めて書きますが、意外性のないキャラクターにはあまり深みを感じることがなく、印象に残らないことが多いので。
声優さんの古川登志夫さん(『ドラゴンボール』のピッコロ役など)もインタビューで「キャラクターを演じる時は冷酷なキャラなら優しい部分、優しいキャラなら厳しい部分といった風に、普段の性格の反対の部分を意識しながら演じている」とおっしゃっていましたし、キャラクターの普段とは違う一面を意識することは大事なのでしょう。
私はまだまだ修行が足りないので、上手く書けないことも多いのですが、現在公開中の『その手に取るもの』の魔王は、私が今まで書いてきた中で一番良く書けたと自負しています。
ちなみに、魔王は一言で言うと「ツンデレ」です。
言わずと知れた「普段はツンツンしているけど、時々デレる」というそのギャップから大変人気がある属性で、私も大好きですが、しかしこれ、いざ自分で書こうと思うと意外と難しいんですよね。
ただテンプレートに「べ、別にあんたのためにやってる訳じゃないんだからね!」とツンとしてからデレてもらっても、全くときめかない訳ですよ。
使いどころをきちんと見極めると言うか、効果的にデレを使わないと、せっかくのデレの意味がなくなってしまうんです。
個人的にデレを一番上手く使えたなと思っているのが、『その手に取るもの』の『罪と罰』というエピソードですね。
浮気未遂をやらかして罪悪感から離れようとする神に、魔王は「別に気にしてない」と言うものの、それでもうだうだ言っている神に対して魔王が渾身のデレを繰り出し、結局元の鞘に収まるという展開なのですが、「ああもう! ぐだぐだ鬱陶しい! DA・MA・RE!!」と神に全体重を乗せた右ストレートをお見舞いするようなつもりで、狙いすまして出した魔王のデレが見事に決まり、友人にも「ここでデレるんだ!?萌える」と大変好評でした。
ツンデレのデレは「相手を仕留める必殺の一撃」くらいの心積もりで出すと、上手く書けるようです(笑)。
ただ、別れの危機のような重大局面ならまだしも、平常時から大技を乱発していると効果が薄れると思いますので、平常時のデレはジャブ程度の軽いものをオススメします。
メリハリがないと、結局一本調子な印象になってしまって、せっかくのデレが死んでしまうと思うので。
話をまとめると、「意外性やメリハリを意識しつつキャラクターを書けば、魅力あるキャラクターになると思う」ということなのですが、難しいですよね、はい。
私も頑張ろうと思います。
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