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世界観の情報を整理する
キャラクターについては大体書き尽くした感があるので、今回は世界観を書くことについてのお話をさせて頂こうと思います。
今回のお題は「世界観の情報を整理する」です。
現代を舞台にした物語を書く時に「どこから書けばいいのかわからない……」と途方に暮れる方はあまりいらっしゃらないと思いますが、異世界ファンタジー書きさんの中にはそういう経験をしたことがある方もいらっしゃるのではと思います。
少なくとも私はありました。
最初私が書いていたのは、よくある中世ヨーロッパをモデルにした異世界物で、専門書がたくさんあるのをいいことに大学の図書館や学部棟の資料室で資料を集めまくっていたら、情報量が膨大になってしまい、上手く情報を整理することができなくなってしまったんです。
これだけでも既にパンク状態ですが、そこに更にファンタジー設定の情報も加わる訳ですから、限界なんて軽く超えてしまいます。
異世界ファンタジーを読むのが好きだったので、自分も書いてみようと軽い気持ちで異世界ファンタジーを書き始めたのですが、今思うと「登山の素人がいきなりエベレスト登頂を目指す」ような、無謀過ぎるジャンル選択だったなと思いますね(笑)。
異世界ファンタジーは読み手さんに伝えるべき情報が多いので、ある程度書き慣れないと、きちんと情報の取捨選択をした上で、適切なタイミングで世界観を開示していくことが難しいんですよ。
何とか書き出せても、必要な情報の線引きが上手くできず、説明が足りていなかったり、逆に書かなくてもいい情報まで書いてしまったりするというのは、結構やりがちなミスだと思います。
当たり前ですが、世界観を書いて終わりではなく、キャラクターを動かす方にも意識を向けなければならないので、注意が散漫になってしまい、小説が一向に良くならないという悪循環からなかなか抜け出せなかった私。
このままではいけないと、趣味を兼ねて試してみたのが、ファンタジー世界を舞台にした作品の二次創作でした。
全部を一度にできない以上、一旦作業量を減らして書いてみることにしたんですね。
二次創作なら既に出来上がったキャラクターや世界観がありますから、後は世界観をいかに説明するかやどういう順序でシーンを描くか、どんな演出をするかといった方に全力を傾けられるので、小説を書く上でとても勉強になりました。
自分が創った世界ではない分、情報量もそこまで多くなかったので、情報を整理し易かったこともプラスに働いたのでしょう。
言うまでもなく権利者の方に許可を取らないと著作権の侵害になりますが、小説投稿サイトに投稿されているクリエイターさんの許可を得て二次創作をされている方もいらっしゃいますし、合法的に二次創作をするハードルは、昔に比べてかなり下がっているとは思います。
二次創作をされる際、それが単にファン心を満足させられるだけでなく、向上心を持って書けば筆力を底上げすることもできるのだと心の片隅に留めておいて頂けたら、一石二鳥を狙えるかも知れません。
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