考えや感情の流れを作る

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考えや感情の流れを作る

 さて、第八十七回目となる今回のお題は「考えや感情の流れを作る」です。  キャラクターの考えや感情の移ろいが伝わって来ないと、キャラクターが場当たり的に動いているようにしか見えず、物語に付いて行けなくなってしまうので、キャラクターの考えや感情の流れを意識して作るようにした方がいいと思いますね。  きちんと伝わるように書いているつもりでも、意外と読み手さんには伝わっていなかったりするので(「ちょっと大袈裟かな」というくらいの匙加減で書くようにしたら、そういうことはあまりなくなりました)、読み手さんから「ここが唐突に思えた」という指摘が来たら、キャラクターの変化がより良く伝わるように意識して、エピソードや文章を練り直した方がいいでしょう。  これまでの経験上、キャラクターの考えや感情の流れが綺麗に一本線で繋がっていると、キャラクターに説得力が出ますし、その分感情移入もし易い気がします。  では、どうすればキャラクターの考えや感情の流れをしっかり作れるのかという話ですが、物語の始まりから終わりまで、常にキャラクターの考えや感情をきちんと把握するように心掛けることが必要なのではないでしょうか。  自分がわかっていないことは、どうしても上手く書けないので。  「この人はこういう生い立ちで、こんな風に育ったから、こういう性格で、こういう風に考える人で……」と理詰めで考えや感情の流れの方向性を決めたら、後は考えや感情を動かしたい方向に向けるエピソードを要所要所で作って、キャラクターを誘導してあげましょう。  しかし誘導しようにも、書きたいものがきちんと定まっていないと、どの方向に向かってキャラクターを動かせばいいのかわからないということになりかねないので、まず最初に向かうべき場所をきちんと定めた方が効率はいい気がしますね。  私の場合はその「向かうべき場所」として、いつもテーマを設定することにしていますが、書き方は人それぞれです。  「物語の行き先は、全部キャラクター任せなんだよ」という方もいらっしゃるでしょうし、「とにかく心に浮かんだあのシーンを目指して書いてる」という方もいらっしゃるでしょう。  大事なのは、キャラクターの考えや感情がどう動いているかを常に意識して書くことで、それによってキャラクターがきちんと生きてくるのではないかなと思います。  
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