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 そして、そのままデパートへ行き、結構、お高いことにビビりつつ目的の香水を購入。でも、見栄を張ってというか、こっぱずかしくて、プレゼント用のラッピングをしてもらってしまった。  家に帰り、早速ラッピングを外し中身を出す。 (綺麗な瓶)  ひとしきり眺めた後、蓋を取って手の平で香りを呼び寄せる。 すこしキツい香りは、しばらくすると柑橘系のスッキリとした香りに変わる。思い出した記憶のあのときの香りだ。  あのひとのもの。 (男性用の香水って、そもそも女の子がつけてもいいのかな?)  蓋を閉めて、首を振る。 (いや、でもさ、同じ香りを身にまとったら、なんだかバレバレじゃん)  納得するようにうなずいて、香水を箱に仕舞った。 (とりあえず、同じものが手の内にあることに満足、だよね)  
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