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君はいない
友達が、先日亡くなった。
どうしようもない、不運な事故だった。
実感がわかないぐらい突然で、私はその報せを聞いた時は呆然としていて涙も出なかった。
でも、黒い額縁に入れられた友達の写真を見てようやく実感がわいて。
涙腺が壊れるほど泣いた。
喉が掠れるほど泣いて、目が腫れるのもお構いなしに目をこすって。
気づいたら母の車で寝ていた私は、制服のスカートの上に置いていた携帯の振動で目を覚ました。
画面を開くと目に入ったのは
『大丈夫?』
淡白だけど、温かさが伝わってくるメッセージ。
亡くなった友人の好きな人からだった。
大丈夫、と返したかったけど。
気持ちの整理のつかない私は返信なんて到底できなくて、そのまま画面を閉じた。
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