言い訳

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あの時僕が君に声が掛けられなかったのは、自分に自信がなかったからで、あまりにも君は周りにいる人たちを魅了していて僕なんかが声をかけるなんておこがましいと思っていた。 だから廊下で君と目が合った時僕は君から目を離すことができなかった。 僕は今でも知りたいと思っている。あの時君はなぜ僕のことをまっすぐに見ていたのかを。 いったい何がきっかけだったのだろう。あの後たまたま隣の席についたことなのか。でもそれでも何も起こらないことだって考えられる。でもあの時君は確かに僕に話しかけた。そして僕はそれに答えたんだ。僕も君の周りにいる人たちと同じように君に魅了させれていたから。そうだあの時僕は君のことなんて何も知らなかった。今でも君のことを知っているなんて言うと君は僕が烏滸がましいと怒るかもしれないけれど。 君を知る前から僕は君に魅せられていて、あれから時間がたった今でもそれが続いている。もしかしたらあの時よりももっと君に魅せられているといってもいいのかもしれない。 僕はここで君についての話を書こうとしている。たぶん君が嫌がるということを分かっていながら、僕は書くことを止められない。なぜなら書くことが君を現実のものとしてとらえる唯一の手段だと思えるから。
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