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1章:6ヵ月前-企画立案-
「これで全員揃った……かな」
こじんまりとした自社の会議室に座った面々を見渡してから、海田 蒼汰は呟く。
その数、10名強。企画の詳細を打ち明けていいレベルの人数だ。
ガラス越しにオフィスの様子が見えるが、全員が揃った事を確認するとボタンを押すと瞬時にガラスがモザイクのようにその視界を遮断する。
「社外秘っていうか、今の段階では仲間内にも完全に明かさないようによろしく」
営業の責任者は呼ばずにプログラマーをはじめとする開発グループのチーフクラスに多めに招集したのは、配信に関わるからである。
そう、この案件に限ってはインターネット上の目立つところいくつかにバナーを張り巡らせるところに金を使えば、あとは宣伝費などかけずに勝手に拡散されるものだと確信している。
「レジュメ、配信していいっすか」
若手のエンジニアが隅でノートパソコンを打つ手を止めて訊いてきた。
「おう、よろしく」
返事をしながらスクリーンの横に移動しその時を待つ。
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