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週末の夜だけ欠かさず行っているパックを済ませると、週明けからの授業の予定と、三社面談の予定を少しだけ確認してベッドに入った。  今日は久しぶりに翔太のことばかり考えているわ、と微睡ながら思った。遠ざかる日もあれば今日のようにくっきりとした輪郭を持って近づいてくることもある。結局まだ、縛られているんだわと思った。  テレビを付けていたが、内容はもちろん頭に入ってこなかった。何度か問い詰めたこともある。他の女と何をしているのかと。翔太は首を振って、そんなのはただの噂だよ。好きなのは彩だけだよ、と優しく囁くだけだった。彩子はいつも許していた。許し、受け入れることが愛なのだと思って。
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