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もうあれから随分と時間が経ったのですね。
この間娘のお友達に「おばさん」と呼ばれて、改めて鏡をみるとそこに映る自分がもう若くないことに当たり前のことなのに驚いてしまいました。
あなたと別れてから私は随分強くなったのですよ。
あなたが随分私を甘やかしたから、あなたがいない世界の冷たさに私は強くならざるを得なかったんです。
今の私を見たら、あなたはどう思うのかしら。随分と逞ましくなったっと感心なさるんじゃないかしら。
あの夏の思い出だけが今でも私の支えになっています。とても傷ついたし始めはあなたを許すことが出来なかった。
あれはあなたが私に吐いた最初で最後の嘘だったのですね。今ならあなたのした事が理解できる気がします。
でもね、私は執念深いんですよ。だから私はあなたを許さない。だって若い娘を傷つけたんだから。
確かにあの頃私は若い娘さんだったけど、今自分自身で書いていてなんだかおかしな気がしますね。あなたも若い青年だった。
今お互いに街ですれ違っても、もしかしたらお互いに気がつかないかもしれませんね。
あなたのことは決して許さないけれど、だけれどもあなたには幸せでいてほしい。
あなたにもう会えないことがわかっていても、今でも私はたまに空に向かって、あなたに話しかける時があります。
お元気ですか?っと
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