俺の彼女はアンドロイド!

2/3
25人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
エスカレーターを降りると、そこは女子高生でごった返していた。 制服、制服。こっちも制服。 ブレザーが多いからセーラー服に目がいくのか、彼女の元々の魅力であるのか、蕾はとても目立つ。 さらさらの真っ黒の髪の毛は、一体どうなっているのだろう。 「ふふ、聖那様」 蕾が柔らかく笑う。 「蕾の髪の毛は、人工頭皮です。本当の髪の毛と同じように、生えているんですよ。長さも切らないと伸びるんです。神林教授自慢の髪の毛です」 えっ? すごい…普通に凄い。 そんなことが出来るんだ…化学の力ってヤバくないか?親父って一体… 俺は死んでしまった父親に多少(おのの)きながら、蕾の服を探していた。 「どんなのがいいのか…全く分からないな」 ウーンウーンと俺が唸っていると、蕾からまた、ピピッ…と、例の音がする。 「情報確認中。…分析完了」 蕾は、俺の手を引っ張ると歩き出した。 「聖那様、あちらです」 そこには、シースルーの布が付いた、アイボリーのブラウスがあった。 「まずは、これ…」 更につかつかと店の奥へ入る蕾に、俺は着いていけず足取りがしどろもどろだった。 蕾が手にしたのは、水色チェックのプリーツスカート。すると店員が話しかけてくる。 「ご試着、如何ですか、カレシさん?」 「お、俺…か…」 彼氏さんなんて呼ばれたことの無い俺は、顔を作れず引きつった。 「試着して参りますね」 蕾はそのまま、店員に案内され試着室の中へ消えた。 …。 大丈夫だろうか? 洋服、着れるのかな… 心配… 俺はすぐさま、試着室の前で言う。 「蕾、大丈夫?」 「…大丈夫です、聖那様。蕾はお着替えくらい出来ますよ」 うふふ、と可愛い笑い声がして、俺の顔は真っ赤になった。 「心配なんですか?可愛い彼女さんですもんね~」 金髪ショートにリングピアスをした、化粧の濃い店員がクスクス笑っている。恥ずかしい…
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!