運命の人

彼女を卒業して

「福井　莉緒」になってからは毎日が初めての事ばかり。
仕事に掃除・洗濯・家事が追加されて毎日があっという間に過ぎ
ていく。別々の生活をしていた２人が一緒に住むから、生活感の違いも
でてくる。
料理が下手な私は毎日が苦痛。
お腹もだんだんと大きくなっていくから、動くのも一苦労。
臨月に入る少し前に会社は産休を取った。
日々大きくなってくるお腹。
話かけるとたまに動いて返事をしてくれる。
早く産まれてきて欲しいな。

予定日を１週間過ぎても産まれてくる気配なし。
お腹の中の居心地がいいの？
その３日後とうとう、陣痛が始まった。
「航基・・・陣痛始まったかも・・」
「まじか！！」
「時間短くなったから病院に連絡するね」
「車の準備すよ」
病院に電話をするとすぐに来るように言われた。
後部座席に乗って、痛みと格闘する私に、
「頑張れ！」
と声をかけてくれる航基。
４時間後、女の子が産まれました。
これから３人で幸せな日々を過ごします。