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翌日いつものように部活を終えて帰宅すると、父の親せきの弟夫婦が居間のソファーに座っていて父母と何やら話をしているようだった。
僕が隣のダイニングルームで食事をしていると、隣の居間から話が聞こえてきて、弟夫婦が店を出すから資金援助してほしいという話のようだった。
この時僕は、ハロウィンジャンボ宝くじが当せんしたことを父が弟夫婦に話してしまったのだろうかと思った。
僕が食事を終えた頃弟夫婦が帰ったので、居間に移動してテレビでも見ようとしたとき父から話しかけられた。
「優志、宝くじどうした?」
「まだ何もしてないよ!」
僕が答えると父が気持ち悪いくらい優しい声で、
「優志、宝くじのお金で海の近くに別荘買わないか?
プレジャーボートも買って、海で釣りできると楽しそうだよな!」
と僕に同意を求めるように話してきた。
すると母が横から、
「豪華客船で、家族皆で世界一周の旅をしようよ!」
と言い出した。
僕が、
「さっきの叔父さんたちは、何をしに来たの?」
と質問すると父が、
「レストランを出店するから、資金援助してほしいとお願いしに来たんだよ!
でも断ったけどね!」
と教えてくれた。
さらに妹が、
「新しいバイオリン買ってほしい!
ストラディバリウスも買えるでしょう!」
と言ってきた。
僕は皆自分勝手に言いたい放題だと思って少しうんざりした。
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