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「おばあちゃんは、何か欲しくないの?」
僕が聞くと皆の発言を静かに見守っていた祖母が静かな口調で話した。
「私はもう年だし、今取り立てて欲しいものは何もないよ!」
祖母は何も要求することはなかった。
「優志はどうしたいの?」
母の質問に僕は、
「何も考えてないよ!」
と答えた。
「じゃあ、別荘買おうよ!」
父が発言するとすかさず母が、
「いくらお金があるからといって、別荘買うなんてお金の無駄使いよ!」
と反論した。
父と母の関係はぎくしゃくしていた。
すると今度は妹が、
「何で大人は自分の都合の良いことばかり言うのよ!」
とかみついてきた。
父、母、妹の言い分が対立して、家庭内に不協和音が響きだした。
僕はその場にいたくなくなって、
「部屋で勉強する。」
と言い捨てて自分の部屋に閉じこもった。
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