8人が本棚に入れています
本棚に追加
少し前までは必死だった。
毎晩寝る前に、「好きな人と一緒のクラスになれますように」と祈っていた。好きな人と結ばれるおまじないや占い、なんでも試した。今朝は緊張で手を震わせながらも、恋愛の歌をガンガンに聴いて両手を合わせ、好きな人がいる新しいクラスを思い描いていた。夢にまで出てきたし、それこそ熱烈な恋の証だった。
確率の計算もした。
「えーと…私の学年は3クラスだから、一緒になれる確率は33.333…%か。一緒になれない確率の方が高いんだよなあ…」
でも。前の学年の時は、同じクラスになれたんだった。諦めることなんて出来なかった。
同じクラスであることの幸せを知っているからこそ、これからの1年も幸せでありたかった。
…それなのに。
どうしても、楽しいとは思えないだろう。既に気分は最悪、どん底だ。好きな人がいないクラスで過ごす日々。好きな人をあまり見ることの出来ない、つまらない日常。
最初のコメントを投稿しよう!