クラス発表

2/3
前へ
/11ページ
次へ
少し前までは必死だった。 毎晩寝る前に、「好きな人と一緒のクラスになれますように」と祈っていた。好きな人と結ばれるおまじないや占い、なんでも試した。今朝は緊張で手を震わせながらも、恋愛の歌をガンガンに聴いて両手を合わせ、好きな人がいる新しいクラスを思い描いていた。夢にまで出てきたし、それこそ熱烈な恋の証だった。 確率の計算もした。 「えーと…私の学年は3クラスだから、一緒になれる確率は33.333…%か。一緒になれない確率の方が高いんだよなあ…」 でも。前の学年の時は、同じクラスになれたんだった。諦めることなんて出来なかった。 同じクラスであることの幸せを知っているからこそ、これからの1年も幸せでありたかった。 …それなのに。 どうしても、楽しいとは思えないだろう。既に気分は最悪、どん底だ。好きな人がいないクラスで過ごす日々。好きな人をあまり見ることの出来ない、つまらない日常。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加