十年のほつれ

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 四つ離れた従姉と、十年ぶりに再開した。  そして、今日から一緒に暮らす。 「久しぶり、彩ちゃん。」 「久しぶりです。美優梨さん。」 「う、うん……」  変に思われただろうか。昔は「みゆねぇ」だったのを、こんな風によそよそしく呼んで。  でも、美優梨さんは何も言わない。  美優梨さんだって分かっているのだろう。今、この場所に居るのは、「姉妹のように仲のいい子ども」ではなく、「都合が良いから同居することになっただけの、ほぼ他人の従姉妹」だということを。  あの頃の私たちは、もう居ない。だから、あの記憶だってもう気にする事はない。  気にする事はないんだけど……
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