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向こうの家族が引っ越したのが、私が小学三年生の時。それまで私たちは本当の姉妹のように、いや、そこらの姉妹よりもずっと、仲良しだった。
私はみゆねぇが大好きだった。
みゆねぇは私より四年も先を生きている。子どもの私にとって四年先は、途方もない未来だった。
私の届かない高い場所に手が届くみゆねぇ。
私の書けない漢字が書けて、私のできない計算ができるみゆねぇ。
私の持っていないケータイを持つみゆねぇ。
私は月三百円しか貰っていないお小遣いを、二千円も貰っているみゆねぇ。
みゆねぇはおっきかった。おっきいんだけど、私をしっかり見てくれる。
私と同じ「子ども」だけど、私よりおっきい「子ども」。
大人なんかより、ずっと信じられる、大好きなみゆねぇ。
みゆねぇと一緒にお泊まりをする時は、決まって二人で一緒の布団に入って、みゆねぇの温もりを感じながら寝ていた。
そしていつからか、みゆねぇは私の下着の中をまさぐるようになっていた。
私も同じようにした。
私はその行為が好きだった。
自分の知らない自分を、みゆねぇが引き出してくれるようでドキドキしたし、みゆねぇと私の関係が特別になっているようでワクワクした。
私は、その行為の意味を知るまでに、四年かかった。
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