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「へぇ〜、彩ちゃんピーマン食べられるようになったの?」
「うん……多分、もともと食わず嫌いだったから。小四くらいには。」
同居してから2週間。
美優梨さんは、よく昔の話をする。
多分、昔の話がしたいんじゃなくて、私と話すのにそれくらいしか話題がないんだ。
私はと言うと……分からない。
私は、美優梨さんとはもっと話したいんだと思う。私の中には未だに「子どもの私」がいて、「子どもの私」は未だにみゆねぇのことが好きなのだ。だからみゆねぇと、美優梨さんと話したい……のかもしれない。そうじゃない気もする。
でも、なんか、ギクシャクして、噛み合わない。私は未だに彼女との距離を測りかねていて、それは、彼女を「美優梨さん」として扱うか、「みゆねぇ」として扱うかに、迷いがあるからだと思う。
とにかく、美優梨さんとはあんまり上手くいっていない。
トラブルがある訳では無いが、何となく居心地が悪い。
美優梨さんがどう思っているのかは、知らないが。
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