生徒会室のあの子に会いたい(生徒会室シリーズ2)

3/6
前へ
/6ページ
次へ
「……お前、まさかそれを聞くためにボールにダイブしたんじゃないだろうな?」 「俺ってそこまで信用されてないの!?」 「結論から言えば、そんな生徒はいないよ。保健室登校の生徒って、大体はブサイクばっかだし」 「保健室登校の生徒に謝れ!! 美人もいるかもしれないだろ!!」 「あのな……病弱で不登校気味の美少女なんてフィクションの特権なんだよ。大体うちの県はドブスランキングのトップ10にランクインしてるし」 「それバラエティー番組とかが勝手に作ったランキングだよな!?」  そもそも、ブサイクというのは姉の好みの話だ。面食いの姉からしたら九割はブサイクなのだから理不尽な話だ。  ちなみに俺もブサイクだと認識されているが、一般的にはフツメンだと思っている。というか思いたい。 「先生が知らないだけで、もしかしたらずっと不登校の生徒がいるのかも……」 「生憎、不登校の生徒の顔は全員把握してるよ。いつ登校してくるか分からないしな」 「そっか……」 「あ、もしかして……」 「何か分かったのか!?」 「イマジナリーフレンドとか?」 「何真面目な顔で答えてんだよ。空想の想い人を作るほど俺は欲求不満じゃねぇよ」 「幻覚は見てるけどな」 「だから幻覚じゃないんだって!!」 「ちなみにさ、その窓ってどこの教室のか分かる?」 「えっと……」  校舎なんて普段意識してみないから、どの窓がどの教室かなんていちいち覚えていない。大体、あの辺りがあの教室なのかなと思う程度だ。  それでも、あそこが何の教室なのかは知っている。  だからこそ、不思議な話だった。 「二階の一番端にある窓だ。東の方の」 「それ、生徒会室じゃん」 「いや、それは分かるよ。分かるけど……」  現生徒会メンバーの内女子は二人。3年の柴山(しばやま)紀子(のりこ)末永(すえなが)小百合(さゆり)だ。。  そもそも、クラスメイト兼友人の蝉川(せみかわ)(たくみ)から生徒会の話を聞くが、あの女好きのタラシ野郎が、あれほどの美少女の存在を少しも語らないはずがない。 「いや、美しさのあまりに隠されてるとか……?」 「お前の頭の中で一体何が始まってんだよ。やっぱ頭診てもらったら?」 「結局そこに行き着くのかよ!?」   ***
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加