帰国

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日本のモデル事務所では、私は普通のメイクさんとして働いた。ミナキから教わっていてよかった。 でも、ミナキから連絡きても無視して、雑誌が郵送されてきても無視した。社長が住所教えたな…。 テレビでもミナキを見るようになってきたとしても無視。たいていスキャンダルだし。 嘘だとわかっていても、嫌な気持ちになった。私は気持ちがずっと落ち着かないし、もうこのまま日本にいようかな…なんて社長に話したら、それでいいならいい、ということだった。約束なんてそんなもんよと、軽い社長である。 蘭ちゃんが大きくなって、勝手にミナキに連絡してることを知った。 「蘭ちゃん!だめでしょ」 「ママのいじわる。蘭もう教えたもんね」 なにを? 「ママ、蘭はパパのこと大好きだもん」 そんなの知ってる。 今日はオフだし、だらーっと家でくつろいでいた。突然の来客に驚くしかなかった。 「え、なん、で?」 「蘭ちゃんは学校?」 は? 「会いたかった」 「だめ、部屋入って」 ハグされかけたから、逃げた。 部屋に無理矢理入れ、無理やり椅子に座らせる。 「ふみちゃん、社長から話聞いてる。なんで言ってくれなかったの?俺は、」 「やめて、ミナキ、私もう、怖いから…戻れない」 「なんで?またやろうよ」 「だめなの。もう、自分が、嫌」 「じゃあなんで離婚するの?関係ないよね?」 「私はミナキに甘えてしまうでしょ?」 「甘えたらいい」 腕を掴まれる。どうして…ミナキはこんなに有名なのに変わらないでいられるの? 「嫌なの」 「じゃあキスしてもいい?」 「…なんでそうなるのよ」 ミナキはほんと勝手。されるがまま。 「あーふみちゃん、好きすぎて困るなぁ。もっとしてもいい?だめ?」 「…なんでなの。…ミナキはスキャンダルいっぱいあるでしょ?女なんていくらでも…」 「違うのにな。ふみちゃん知ってるくせに」 「だめなの…」 困る。ミナキそんな顔しないで。私はミナキのこと好きなのに、でも、そんなのだめなの。私はミナキの仕事の邪魔になる。
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