2人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
日本のモデル事務所では、私は普通のメイクさんとして働いた。ミナキから教わっていてよかった。
でも、ミナキから連絡きても無視して、雑誌が郵送されてきても無視した。社長が住所教えたな…。
テレビでもミナキを見るようになってきたとしても無視。たいていスキャンダルだし。
嘘だとわかっていても、嫌な気持ちになった。私は気持ちがずっと落ち着かないし、もうこのまま日本にいようかな…なんて社長に話したら、それでいいならいい、ということだった。約束なんてそんなもんよと、軽い社長である。
蘭ちゃんが大きくなって、勝手にミナキに連絡してることを知った。
「蘭ちゃん!だめでしょ」
「ママのいじわる。蘭もう教えたもんね」
なにを?
「ママ、蘭はパパのこと大好きだもん」
そんなの知ってる。
今日はオフだし、だらーっと家でくつろいでいた。突然の来客に驚くしかなかった。
「え、なん、で?」
「蘭ちゃんは学校?」
は?
「会いたかった」
「だめ、部屋入って」
ハグされかけたから、逃げた。
部屋に無理矢理入れ、無理やり椅子に座らせる。
「ふみちゃん、社長から話聞いてる。なんで言ってくれなかったの?俺は、」
「やめて、ミナキ、私もう、怖いから…戻れない」
「なんで?またやろうよ」
「だめなの。もう、自分が、嫌」
「じゃあなんで離婚するの?関係ないよね?」
「私はミナキに甘えてしまうでしょ?」
「甘えたらいい」
腕を掴まれる。どうして…ミナキはこんなに有名なのに変わらないでいられるの?
「嫌なの」
「じゃあキスしてもいい?」
「…なんでそうなるのよ」
ミナキはほんと勝手。されるがまま。
「あーふみちゃん、好きすぎて困るなぁ。もっとしてもいい?だめ?」
「…なんでなの。…ミナキはスキャンダルいっぱいあるでしょ?女なんていくらでも…」
「違うのにな。ふみちゃん知ってるくせに」
「だめなの…」
困る。ミナキそんな顔しないで。私はミナキのこと好きなのに、でも、そんなのだめなの。私はミナキの仕事の邪魔になる。
最初のコメントを投稿しよう!