天野さん

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天野さん

蘭ちゃんは、バイリンガルで頭が良くて。 先生に勧められて…なぜか、私立の中学を受けることになった。なぜ? 私はそんな頭よくない。 ミナキだって学校行ってないのに。 わからない。 そんなわけで、落ちたらかわいそうだから神頼みしに近くのお寺に行ってみた。 丸坊主のお坊さんが、掃除してたけど… その姿は見たことがあった。 よく蘭ちゃんを預けに行ってたから… 「天野さん?」 なわけないか…死んだんだから。 だったら兄弟とか? 「え」 「天野さん…ですよね?」 「はい、天野です。…ん?コバタさん?」 「え…」 なぜその名前。 怖いんだけど…。 「あ、れ?旅行ですか?」 「…あなたは、天野さんのなんですか?」 「天野ですよ?…あ!」 「な、なに」 「日本語、しゃべれたんでしたね」 「は」 「いやぁ、金髪でしたよね?今は茶髪?にしたんですか?」 「あ、天野さんは、あの天野さん?」 「はい、あの天野…あ」 「死んだって…」 「あ、そうです。死んだんです」 「いや、生きてる」 「あー、まぁ中で話しましょうか」 いや、なんなのこの人。 なぜ冷静なの?
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