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「お茶飲めますか?」
「飲めますけど…どういうことですか?奥さんが死んだって確かに言っていましたけど…」
「いやぁ、実は…凶悪な犯人に仕事を目撃されてしまいまして。組織に所属してることはバレたらいけないので、こうして無理矢理実家に帰らされたんですよ。関係ない人ですよーという演技を続けてます」
理解できない。
「お、奥さんそれ知ってるんですか?」
「はい」
「ゆとくんは…」
「死んだことになってます」
「そんなの、可哀想…いつまでそんなことするつもりですか?」
「許可が下りるまで。でも実家継がされて帰れないかもしれないです」
そんなの、おかしい!
「家族をほっといて!ひどすぎませんか?」
「仕事なんです。悠人は組織に入るので、もしかしたら会えるかも知れませんね」
「奥さんは?いいの?ほっといて」
「彼女とはまた会える気がします」
「一緒に住んだらいいのに、なんなの?そうやって一人で抱えて!」
「…コバタさんは?なぜこちらに?」
「え、蘭ちゃんの合格祈願」
「旦那さんは、どうされたんですか?」
く、そう!
このへんてこりんな天野さんと同じ。
悔しい…
いや、同じじゃない。私は許可とかないのに。結局、私のことも話すことに。
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