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依然と変わりないキッスだ。この客は俺を真から女だと 思い込んでいる。だが、この先どうなるというのだ。俺の性は男なのだ。
「ナオミちゃん、キッスが以前とは違うなあ。他の男と関係を持ったのかい?まあ、それも仕方ないかな、僕みたいな親父では物足りないだろう。そうそう、これ、例の約束の50万。やっと約束を果たせた」
「そんな、もういいの。あなたに再会出来ただけで十分なの」
「もう一度キッスして好いかな」
「いいわ、でも、お別れのキッスよ。お願い、ナオミのことこれ以上知らないで別れて。失恋の悲しみの方が真実を知ってしまう悲しみより増しなの。わかって欲しい....」
「真実?どうしたんだ、ナオミちゃん、何処に行くんだ!行かないでくれ!」
俺は玄関横の柱の陰から様子をうかがった。
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