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「言っちゃおうかな、…」
「どうしたんだい?ナオミちゃん」
「えい、言っちゃおう。パパ、わたし、お金がないの。貸してくれないかしら?」
「幾ら必要なんだ?」
「とりあえず50でどうかしら」
「50円か?はっはっはっは…」
「いやだーあ、冗談はなしよ、50万、お願い、....」
「返す気はないんだろう?」
「返えすわよ。月5万の返済でどうかしら、…」
「すぐ必要なのかい?」
「ええ、今晩中にお願い。あら、お客さんだわ、ちょっと待ってて…」
ナオミは愛くるしい微笑みを浮かべながら来店した客の元に行った。早く戻って来いと、私は心の中で幾度も叫び続けた。年甲斐もなく、あの若い客に焼き餅を焼いていた。ナオミの可愛らしさに胸の動悸が収まらない。ナオミのことを思うと、いつも、つい気持ちが大きくなってしまう。今晩中か、私こそが金がなかった。何処かから借りて来なくてはならなかった。サラ金には手は出せないし、困ってしまった。
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