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地獄に咲く華々よ。燃え尽きたと言うのか。
大学の教室の中で、俺たち二人は、あんなに深く愛し合っていたではないか、
教壇に立っているあんたと遠く離れた学生席に座る俺は、お互い目と目わ合わせていた。俺は居ても立っても居られなくなり、女装したんだ。学生である俺を悟られないように。
女装したことで、あんたと俺は贋物の愛に耽ていたのか。
単なるお遊びだったとでも言うのか。
今からでも遅くはない。
官能の果てに棲む者であっても、夢の分かれ道に
俺たちはきっと永遠の愛を知るだろうから。あの教室で別れた後、
きっと、さりげない優しささえ遠い記憶の中に眠り果てるだろう。
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