第一話 秘密の煩悶

5/10

24人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
「考え直しました。この際、彼女には貸せないとはっきり言いましょう。恥をかきますが仕方がありません」 「旦那、そんな見え透いた嘘は通りませんわ。本当は彼女にお金を貸したいんでしょう?正直になりなさいな、この店に来る客なら誰もそうしたいと思っておりますから。考えてみてくださいよ、旦那も俺と同じことをすればよいのですわ。旦那も客にお金を貸すんですよ。利子を付けてですな。彼女のおかげで、このようにして我々客同士、互いに商売出来るというものですからね。でも、俺は旦那に無理強いすることはしませんわ。わはっはっはっは…。しーっ、彼女が来ましたわ。無事に収まることを陰ながら願っておりますわ。では、これにて…」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加